我が目を疑った。
なんてことだ。
「さらば、常識。
だと言うのに、ああ、だと言うのに!
小さな女神と化け鼠の戦いを、目撃してしまったのが昨日のこと。
そして今、私は鬼と鼠の戦いを目の当たりにしていた。
場所を弁えろよ、怪人どもが。
ああ、駄目だ。なんか、泣けてきた。
昨日の少女とは違う意味で、鬼は鼠たちを圧倒していた。
一方的と言うのも愚か。
昨日は見られなかった新種の、豚の妖怪も――もしかしたら、鼠よりも強いのかもしれないが、そんなことは一切関係なく、
それを見ながら、私はぽつりと呟いた。
「ううん。鬼というより、オーグルだ」
もちろん中国の
でも、それ以上に、大きいのは目だろう。
単に人間は、結局同じ人間を基準としているというだけの話で、やっぱり自分と違った外見を持った相手には
それにこの鬼、私はどこかで見たような気がしてならなかった。
「うーむ」
時に疑問は恐怖を超越してくれる。慣れもある。
それに。
「――何で、ジャージ?」
ちなみにその同ジャージー島原産の乳牛がジャージー種なのだが。
――
それで見た感じでは敵対しているらしい全ての怪物を倒し終えると、ちらりと私に目をやって、さっと手近なお
「鼠小僧かアイツは?」
やはり、向こうも私を知っているのではなかろうか。
考えて、考えて、思索をめぐらして、諦めた。
どうせ、考えたからって答えの出るような種類の事でもない。
ああ、ごめんだとも。
事なかれ主義万歳!