灰の歌

○詩集


歌い踊りてくるりとまわれ、廻りまわって狂い死ね
 人に獣に草に岩、あらゆるものはいずれは滅ぶ
  どうせ死ぬなら踊りめせ、踊りまわって狂い死ね

狂ったステップ踏みながら、踊る私は壊れた人形
 操る糸は縺れにもつれ、右手を引けども動くは左、それも足

壊れた人形はどうしよか、壊れた人形をどうしよか
 壊れた人形、狂った人形、糸の絡んだ哀れな人形
  壊れた人形は切りましょか、壊れた人形は捨てましょか、壊れた人形は燃しましょうか
   壊れた人形は糸切られ、壊れた人形は捨てられて、壊れた人形は燃やされた
    後に残るは只の灰

どうせ死ぬなら歌いめせ、歌いまわって狂い死ぬ
 狂ったメロディ口ずさみ、歌う私は只の灰

天には光、地には音
 天の光は全て星、地上の音は全て歌
  星もやがては燃え尽きて後に残るは只の灰
   灰が歌うは……

○詩集

諸権利者.淡海いさな|落成.2006.01.04|定礎.2005.12.29