深き林の泉の畔 夜の女王の館建つ
女王は統べる『夜の闇』 女王は振り撒く『夜の眠り』 女王が謡うは『夢』の歌
妙なる歌のその響き 人も獣も草木とて抗う術は有しえぬ
深き林の泉の畔 夜の女王の館建つ
女王は独り『夢』を詠む 女王の謡うその『夢』のなんと甘美であることか
優しき『闇』に擁かれて 眠れる者は『夢』を見る
夜の女王は憧れる 『夢見る』ことに憧れる
嗚呼、なんと皮肉であることか
夜の女王はぬばたまの『夜闇』を統べるその故に
『夜の眠りの理』を自身が統べるその故に
『夢見る』ことを許されぬ。
深き林の泉の畔 夜の女王の館建つ
女王は謡う『夢』の歌 独り玉座に坐しまして
『夢』とはどんなものだろうと、憧憬を籠め歌を謡う。